研究倫理教育のe-Learningコンテンツ eAPRINを受講せよと言われたので受講した.

e-Learningは時代の流れ。私のような紙や鉛筆が当たり前の世代でもそれくらいは理解できるが・・・

このeAPRINなるシステムの教材だけど,これじゃちょっと工夫がなさすぎるなぁと思った.テキストが紙で見ても変わらない.いや,分量が多すぎるから紙じゃないとかえって読みづらい。時間がかかりすぎる.

しかも,受講完了するには単元ごとの問題で80%以上正答しないといけない.中にはトリビアと言えるような問題があってかなりイラついた.

ベルモント・レポート?
米国連邦規則?
ゲルシンガー遺伝子治療研究?
公衆衛生局が行った梅毒研究?

そんなの一回読んだだけで覚えてるわけねーや.

倫理教育の必要性を理解しないわけじゃないが,分量が多すぎて返って真面目にやろうという気が失せる.そういう「やる気のなさ」を生み出すことこそ,倫理教育にとって最もマズいことだと思うのだが.

今回のeAPRINを受講するだけで,かなりの日数と時間数を割いた(とても1日じゃ読みきれないので).1時間ほどの動画ですべてのコンテンツをまとめてもらって,それを視聴した方がずっと負担が軽いし頭にも入る.

作った方々には申し訳ないが,e-Learning教材を作る際の「悪例」として残しておきたいくらいだ.

 

そういえば最近,阪大の准教授が熊本地震に関する研究論文で,データを捏造したとかニュースで報道されていた.

成果主義が徹底している旧帝大のようなところで働いていると,そんなリスクを冒してもやらざるをえないほど追い詰められていたのかもしれない.この先生はその後死亡したというが,何が死亡の原因かまでは報道されていない.

捏造という点では理研にいた小保方氏も同じだ.小保方氏の当時の上司が調査の過程で自殺している.

本当に画期的な研究成果は,いわば宝くじを当てるようなもので,普通はそう簡単に出ない.これは頭の良し悪しとはあまり関係なくむしろセンスの問題だ.だから宝くじに当たるまでの間は,さして注目を集めないような研究成果でも,細々と論文を書き続けて業績を稼いでいくしかない(と少なくとも私は思っているが)

阪大の件でも理研の件でも外部からの指摘がきっかけだが,毎回毎回宝くじに当たっていたら,そりゃ周りからも怪しまれるだろう.

 

ちなみに私は論文を捏造したことは一切ない.だから書いた論文が世間から注目を集めたこともない(笑).注目を集めないような研究成果をネタに細々と論文を書いている.

同じ研究者と言っても私とは全然別世界の話.若い頃は理研や旧帝大に憧れていた時期もあったが,こういう話を聞くたびにそんな立場にならなくてよかったと思う

このブログのように,お気楽に好き放題書いて,

「フルマラソンをサブフォーで走るぜ」

などと呑気に言ってるような身分なので,その方がずっと気楽でいいし,おかげさまで楽しく生きている.

彼らのような捏造する人たちがいるから倫理教育とかうるさく言われるようになり,eAPRINのようなものを受講しなければならなくなったのは事実.

だけど,捏造せざるを得なかった一流研究者の辛さが,こんな私でも少しは理解できるので我慢して受講した(捏造を容認しているわけじゃない.よく文章を読まないで安易に批判してくる人もいるので,重ね重ね言うが容認しているわけじゃない)

 

ちなみに,ベルモント・レポートでは普遍的な三原則の1つとして「人格の尊重」がある.

人の命を救う新たな手段を発見することが「研究」であったとしても,その名目のために追い込まれ,死に至ってしまうのであれば,そもそも研究者の人格が尊重されているのか疑問に思ってしまう.